リピート

リピート (文春文庫)

リピート (文春文庫)

『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ作品ということで読んでみた。人生のやり直しに臨んだ他のメンバーたちが一人、またひとりと死んでいくというあたりにミステリ要素が感じられるのだけど、読んでみたらミステリ的なしかけは思ったほどたいしたことなかった(大掛かりな時間旅行詐欺かとも思ったけどそんなこともなかったし)。まあミステリ部分に期待していたわけじゃないからそれはいいのだけど、なんというか、思ったよりも地味な印象だった。もっと未来の記憶を利用してあれこれするのを期待していたのだけど、実際には人生のやり直しといってもわずか10ヶ月ほどだから意外とできることは限られており、目立つわけにはいかないという事情も手伝って派手な動きは控えようという流れだったし。読んでいる間はまあまあ楽しめたのだけど、そういうふうに期待していたのとは違った展開だったからか、読み終わった後に残った読後感はもの足りないという印象だった。