リトルバスターズ!

リトルバスターズ! 初回限定版

リトルバスターズ! 初回限定版

  • 完全攻略完了。発売後、今回は微妙だとか、トゥルーはいいのだけど個別はいまいちとかいう評判も聞くけど、少なくとも自分にとっては、これだけ集中して楽しめたゲームはひさびさだったし、まぎれもなく名作と呼べる大満足の作品だった。
  • システムはディスクレスプレイ不可なのが激しく面倒で残念だったが、それ以外は『CLANNAD』と大きく変わらず必要なものはそろっていてまず快適といっていいかと。こういういろいろな選択肢を試してみたくなる作品ならクイックセーブ・クイックロード機能がほしかった気もするが、かわりに一つ前の選択肢に戻る機能があるし。ミニゲームはとりあえず一度ぐらいはやってみてもいいものの特に面白いというほどでもないので本編に入れなくても良かった気はするが、まあこれもオフにしてしまえるし、シナリオ進行には関わらないので可もなく不可もなしといったところか。
  • 音楽はボーカル付の曲が5曲もあってかなり力が入っていて驚いた。お気に入りの曲は『Little Busters!』『遥か彼方』『Alicemagic』『Song for friends』『少年たちとの別れ』(同曲名アレンジ版やインスト版も含む)。
  • シナリオ。大勢でわいわいやっている場面は楽しいのだけど1対1での会話はいまいちってのが多かった。で、各ヒロイン個別ルートに入ってしまうと、他のキャラの出番が激減してしまうのが残念。サブキャラの二木佳奈多も攻略できてほしかったし(シナリオの性質上無理なことはわかるけど、佳奈多というキャラがすごく気にいったので)、笹瀬川佐々美も恋愛対象でなくてもいいから、鈴との友情をメインにしたミニシナリオとかほしかったな。今回はエロなしなせいか、全体的に恋人になった後のいちゃいちゃ描写に力を入れていた感じ。
  • 以下各シナリオ個別感想。ネタバレありのため伏字。反転表示。

(ネタバレ)

能美クドリャフカ

  • まず一周目は思いのまま適当に進めてたらクドルートに突入。べつにロリ狙いだったわけじゃないんだけどなあ(笑) 全ヒロイン中恋人になってからのいちゃいちゃぶりに一番力が入っていたかな。同学年とはわかっているが、あの外見のヒロインに特に躊躇する様子もなく手を出せる理樹くんはどうかと思うんだ(笑) 奇跡無しのある程度現実的なシナリオかな〜と思っていたら、やはり終盤には奇跡っぽい現象が。このシナリオ、18禁だったら絶対ヤバい展開になっていたよなあ(描写されてないだけという可能性もあるが、考えたら精神衛生上非常によろしくないのでやめておこう……)。クドの抱えていた事情はどういうことだったのか、いまいちわかりづらかった(ある程度想像はできるけど)。他のシナリオを終えればはっきりわかるのかと思っていたけど、あまり関係なかったな。このへんの不完全燃焼ぶりと終盤がやや都合よくあっさりしすぎに思えたためシナリオ的な満足度はもう一歩足りない感じ。

神北小毬

  • 2周目攻略。人の生き死にに関わるいつものKeyらしい展開だったけど、特に奇跡もなく主人公ががんばって解決というまっとうな流れだったのはちょっと意外(笑) そのためシナリオ的な満足度はけっこう高め。まー、あれだけの壊れっぷりを見せた小鞠があれだけのことで救われるのは少々あっさりし過ぎで、もうちょっと盛り上がりがほしかった気もするが。ふわふわと天然っぽいキャラだけど、単なる頭の弱い幼い系のヒロインではなく、意識的に前向きに世界を肯定的にとらえているあたりが好感度高し。小鞠の「あなたの目が、もう少し、ほんのちょっとだけ見えるようになりますように」はお気に入りの台詞の一つ。

三枝葉留佳

  • 3周目攻略。
  • 佳奈多が葉留佳に変装していた時カラコンを入れていたそうだけど、たしかにCGを見ると葉留佳と佳奈多の瞳の色は違うけど、それはギャルゲー世界ではやたらと髪の色や目の色をカラフルにして各キャラを描き分けているだけで、実際にそういう髪の色ではないのだと思っていたんだけど、まさかこの作品はマジでこういう髪と瞳の色って設定なんだろうか。
  • 悪人はいなかった、と綺麗にまとめてるけど、いや、どう見てもろくでなしの親戚連中が悪いだろ(笑)
  • 最終的にはめでたしめでたしで終わったように見えるけど、佳奈多はどうなるんだろう。因習に固まった家にとらわれたままなのでは? まあ、そのへんはあとで葉留佳たちと一緒に暮らせるようになったと脳内補完しておくか。
  • 最後のイベントCG、佳奈多の私服姿はやはり長袖だったのが印象的。本人が言ってた通り、すごい傷跡が残っているということか……
  • 非常に満足のいくシナリオで各ヒロイン個別シナリオの中では最も満足度高し。葉留佳の抱えている重い事情も、壊れっぷりも、佳奈多との姉妹の絆も、最終的にはめでたしめでたしなところも凄く良かった。『パルフェ』でもそうだったけど、こういう姉妹和解シナリオはツボなのかもしれん。佳奈多はサブキャラだけどかなりのお気に入り。

来ヶ谷唯湖

  • 主人公が早い段階で恋愛感情に気づき、能動的にヒロインを口説こうとするあたりはこの手の作品では非常にめずらしい気が。みんなが忘れていくというあたりは、いかにもKey作品らしパターンであるものの、クドルート以上によくわからない消化不良な終わり方のため、シナリオ的な満足度は全シナリオ中一番低かった。やはりこのルートだけ単独では完結していないのが問題かと。姉御はスタイルいいという設定で、ポスターとかでもえちぃなのが多かったので期待していた(笑)のに残念。

西園美魚

  • 5周目攻略。美魚シナリオは『ONE』のえいえんの世界の発展系みたいな印象だった。でも特に重い事情があるわけでもなく先天的なレベルで孤独癖のある少女が最後になって戻ってくることを納得するには積み重ねが足りない気がして、シナリオ的な満足度はもう一歩足りない感じ。はじめは孤独であろうとしていたけど、理樹やリトルバスターズとの出会いを通して気持ちが揺れるようになった描写がもっとあった方が良かったのではないかと。物静かでありながらツッコミは意外と厳しかったり、腐女子的な一面も持つ美魚のキャラはとても気にいった。美鳥は消えてしまうのではなく、人格の統合みたいな感じで、戻ってきた美魚の言動の端々に美鳥っぽい要素も感じられるようになったという話の流れにしてほしかったかも。

棗鈴

  • 作品全体を通してのメインヒロイン。『CLANNAD』の時もそうだったけど、あいかわらずメインヒロインに重点を置き過ぎ。もっとも最終シナリオは鈴のシナリオというよりリトルバスターズシナリオといった感じだったので、そういった意味ではむしろ個別ルートのないヒロインなのかも。Refrainの前の鈴BAD ENDは後味悪かったなあ……。鈴ルートを進めている時やRefrainが始まったばかりの頃はあまりに何もかもが理樹と鈴を成長させるために仕組まれていることや、理樹と鈴を成長させようとするのがなんだか押し付けがましいというか説教臭く感じられていまいちかなと思ったが、修学旅行中に事故にあい、他のメンバーは瀕死の状態であり、これから取り残されることになるふたりが今後強く生きていけるようにするためという世界の秘密がわかると、これなら無理もないわと納得。『リトルバスターズ!』は全年齢作品でエロイベントもないから無理に登場人物の年齢幅を制限する必要もないはずなのに何故恭介以外は全員同学年? という疑問もプレイ前にはあったんだが、こういうシナリオだったからなわけね。鍵作品は人の生き死にが関わってくるのがお約束のパターンなわけだが(笑)、まさかゲーム開始時点で鈴と理樹以外全員瀕死状態なんて設定にするとはさすがに予想外だった。……でも失敗したなあ。攻略見ながら進めたから、この後、救えるようになる選択肢が出てくるのだろうなと予想がついてしまったんだけど、もし何も知らず進めていたらかなり衝撃的だっただろうな。最後には成長した理樹と鈴がみんな救えて本当に良かったし(根性入れりゃ持病のナルコレプシーもあっさり克服できてしまうというのが少々甘いかなという気もするが)、すごく爽やかな終わり方で素晴らしい。選択肢の変化によって見れる最後に恋人同士になった理樹と鈴も微笑ましくて良かった。