空ノ鐘の響く惑星で 外伝 -tea party's story-

錬金術師ノ嘆息」「幻惑ノ剣士」「今宵、二人ノ結婚式」「王ト王妃ノ今日コノ頃」の四編と幕間に十年後の皆の様子を描いた短編集。あとがきによると「錬金術師ノ嘆息」のシルヴァーナとハーミットのその後の話は最も要望が多かったそうだがちょっと意外。返答は保留にされたもののその後のふたりがどうなったかは容易に想像がつきそうなものだと思っていたので。「幻惑ノ剣士」は謎だったライナスティの出自がわかるのだけど、できればディアメルとの関係を絡めて描いてほしかった。ベルナルフォンが独身を貫く理由がわかる「今宵、二人ノ結婚式」は重いなあ。短編集だから基本的に平和な小エピソード集ばかりかと油断していた。その点、「王ト王妃ノ今日コノ頃」はいかにも想像した通りの甘く微笑ましいエピソードだった。次は新シリーズだそうで、もちろんそちらも楽しみなのだけど、いつか空鐘新世代編としてアスティナとリグルスに振り回される「シア先生の保育園日記」的な話も読んでみたいなあ。