シャイナ・ダルク 黒き月の王と蒼碧の月の姫君(1)

 絵が好みなのと原作担当が『まほろまてぃっく』の中山文十郎氏ということで手にとってみた。恐れられているけど実はお人好しな魔王と、魔王に捧げられた大勢の「生贄」の娘さんたちのシリアスな要素もありなファンタジーコメディですな。いざ読んでみると中身はぬるいし、表紙のヒロインのふたりもその他大勢とたいして変わらない感じのいまいち個性が乏しいヒロインで、そこそこ面白いけどそこそこ以上ではない、あまりパッとしない作品というのが途中までの印象だったのだけど、最後の第4話はすごく良かった。なるほど、これがやりたかったのね。絵の構図も上手くてストーリーを引きたてているし。これなら今後も期待できそうだ。ただ、今のところフックが弱いかな。いくつか伏線もはっているようだけど、その気になればすぐに回収できてしまいそうだし。そのへん、もうちょっと強烈にひきつけられるような要素がほしいところ。