化物語(下)

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

 上巻を読んだことによって作品の方向性がわかっているからか、上巻を読んだ時よりも深くストレートに楽しめた。というか読み終わった時、これでもう終わりなのかと寂しく思えたほど。ひとつの事件に遭遇するたびに美少女と知り合ってという今のパターンからするとそりゃ続けるのは難しいだろうけど(笑)、それでも暦やひたぎや羽川や神原や真宵や千石のこれからも続いていく日々が見たかったなあ。それにとうとう明かされなかった吸血鬼少女・忍との出会いのエピソードも読みたかった。この作者の作品は他にも5冊ほど読んでことがあるけど、どれも「そこそこ面白いけどそんなに絶賛するほどでもない」って印象で、世間の評判とは違って自分には合わないのかなと思っていたし、この『化物語』も上巻の途中までは似たような印象だったのだけど、上巻の途中からけっこうよく思えてきて、下巻を読み終えた今ではすごく好きになっていた。今回も世間では評判だけど自分には合わないのじゃないかなあと思いつつも、なんだかんだで釣られて読んでみて本当に良かった。大満足。