カーリー 〜二十一発の祝砲とプリンセスの休日〜

 前巻では後半急に謀略もの風味になってしまったのががっかりでしばらく敬遠していたのだけど今回は良かった。非常に満足。学園ものらしい描写が増えているし、前回は好みにあわなかった国際謀略の面も近代史としての側面が楽しめた。今回登場した王女さまパティもいいキャラだったなあ。終盤がすごく盛り上がったし。ただなんというかこの作品は、子どもから大人へと移り変わる、望むと望まざるとに関わらず変わらずにはいられない、そういう節目の時期を描いていて読んでいて切なくなってしまうな。だからこそ良いのだともいえるのだけど。『ARIA』の「あの頃は楽しかったじゃなくて あの頃も楽しかった…よね」という台詞のようにこの話の登場人物たちも思えるようになれればいいなと何度も思った。続きが出るかどうかは人気次第のようだけど、続きが出ればぜひ読みたい。