儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴


これぞ、究極のどんでん返し! あらゆる予想は、最後の最後で覆される。

ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃(フィニッシング・ストローク)」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至難の業でもある。本書は、その更に上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的に拘った連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ!


「バベルの会とは、幻想と現実とを混乱してしまう儚い者たちの聖域なのです。現実のあまりの単純さに、あるいは複雑さに耐えきれない者が、バベルの会には集まってきます。わたしたちは、いわば同じ宿痾を抱えた者なのです」

「身内に不幸がありまして」「北の館の罪人」「山荘秘聞」「玉野五十鈴の誉れ」「儚い羊たちの晩餐」収録。共通するキーワードも出てくるものの、基本的にはそれぞれ単独で成立している短編集。でも「山荘秘聞」ではバベルの会は出てこなかった気が……?
 感想