ウィザーズ・ブレイン5 賢人の庭
- 作者: 三枝零一,純珪一
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とはいえ全体としては非常に満足な内容だった。1巻読了後放置していたこのシリーズに再び手を出してみることにして本当に良かったとしみじみ感じたし。
(以下ネタバレ)
二つのI-ブレインを持つというわりにはあまり規格外の特別な魔法士って感じじゃなかったディーくんは特別製騎士剣「森羅」を手に入れたことによりようやく主要登場人物らしい特別な魔法士になった感じ。
今回ディーもサクラも限界なんて余裕でぶっちぎる勢いでI-ブレインを酷使していたので、ことが終わってしまえば何事もなく無事生きのびましたで済まさず、なんらかの反動(I-ブレインの動作が安定しなくなるとか、一定期間I-ブレインがまったく使えなくなるとか、今後能力を使うごとにどんどん記憶が失われていく(笑)とか)があってほしい気がする。もっとも全世界に宣戦布告したとなるとストーリー的にそんなペナルティを抱えている余裕はないだろうなあ。
数多い男女の組み合わせが存在するこのシリーズの中で錬・フィア組に続いてディー・セラ組も一歩前進。でもたしかセラって十歳ぐらいだったよな? ガチでロリ恋愛路線っすか(汗) まー、この作品の場合、外見はともかくとして実年齢は一桁なんて登場人物がほとんどだからあまり気にしてもしかたないのだろうけど。実際外見とは裏腹に実はディーの方が年下でセラの方が年上というカップルなわけで。
サクラはツンデレキャラと聞いていたけど、ツンデレの対象は真昼? 初対面の時点からツンデレっぽい態度をとっているのはおかしな気がして素直に萌えられなかった。真昼が最初からやたらとサクラに肩入れするのはやはり恋愛感情が絡んでるからなのかね? ここでも大幅年の差恋愛が(笑)
下巻の途中で捕らわれた月夜は死ぬほどエグいめにあって敵となって再登場かというパターンかと心配したけど、そばにいるのがイルなら大丈夫そうでほっと一安心。
もともと鍵臭い作風だと思っていたのが今度は型月臭くなったな、というのが正直な印象。あとがきの今回のBGMからするとモロにそのままだし(笑) べつにいいけどね。似ていようと何だろうと面白ければ。その点、この作品は十分良かったといえるレベルに達していたし。それに最後の終章はやはり盛り上がったなあ。全世界に宣戦布告する賢人会議、そしてそれを各地で受け止めるこれまでの各巻に出てきた登場人物たち。これからこの登場人物たちが入り乱れてどんな話が展開されるのか楽しみ。