黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで

 名詠式というめずらしい名称のわりにはやっていることはただの召喚魔法でしかなかったり、話の展開も結局はただの魔法バトルみたいになってしまって拍子抜け。クルーエルが出会ってまだほとんど間もないネイトにべらべら悩みを話すのも不自然な気が。主要な登場人物ふたりを近づけようという作者の意図が露骨に透けて見えてしまった。それに最後の戦いで主要登場人物三名(ネイト、クルーエル、カインツ)が急に強力な力を発揮するのがご都合主義に感じられてしまったのも残念。どの登場人物もそれぞれ己の役割を果たそうと奮戦している様子はなかなか力を入れて描かれていたと思うが。評判がいいようだから期待していたのだけど、自分には合わなかったかな。