空ノ鐘の響く惑星で(12)

空ノ鐘の響く惑星で〈12〉 (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で〈12〉 (電撃文庫)

 ついに完結! の最終巻。これが最後なだけあってフェリオも主人公らしく活躍。もっとも最後になっていきなり都合よく強くなったような印象もなくはないが、まあ今までだって優秀な剣士として描かれてきたわけだし、最終巻祝儀ということで許容範囲内だろう(笑) この最終巻を読んだ人の間ではやたらとカボチャが人気なのにも納得。えらくおいしいところをかっさらっていったよなあ(笑) (以下ネタバレ)最後では成長したシアが元気で活発な娘さんになっていて本当に良かったと思ったし、まさか味方内での死亡者リスト入りかとひやひやしたアンジェリカやエンジュとイリスも無事でホッとした。贅沢を言えばその後のフェリオやウルクやリセリナのやりとりの場面やイラストもほしかったなあ。大勢の美少女にモテモテでハーレム状態の主人公というのは昨今掃いて捨てるほどいるが、そういった作品でも最後にはなんだかんだで本命が決まるのに対し、王族だからということで堂々と二股ENDを迎えたのって案外この作品くらいなんじゃないだろうか(笑) 告白したハーミットとシルヴァーナの恋のゆくえは結局どうなったのかや、最後まで謎だったライナスティの出自なんかも気になるところ。(以上ネタバレ終了)本当にきれいに終わっていい作品だった。1巻を読んだ時点では地味な印象しかなくて続きはしばらく放置していたが、好評なのを知って続きを読んでみることにして大当たりだった。このシリーズが途中で途切れてしまうことなく最後まで無事続いてくれたことに感謝したい。