『テレパシー少女「蘭」(3) 闇からのささやき 前編』『テレパシー少女「蘭」(4) 闇からのささやき 後編』

 少女ふたり組ということでちょっと百合っぽい要素もありな(ただしどちらも好きな男がいるので、あくまで「ちょっと百合っぽい要素もあり」という程度)正統派超能力少女もの。でも超能力ものといってもあまり能動的に能力を使ってどうこうしようという話ではなく、超能力があるがゆえに人には見えない不思議なものが見えたり不思議なことが聞こえたりして、それを追いかけることによって事の核心に迫るという感じ。どちらかというとホラーに近いような印象。絵は好みなんだけど、ストーリーの方はどうも盛り上がりに欠けていていまいち。今回のクライマックスの翠の死〜蘇生までの流れも、大切な人を失うつらさや、だからこそ人とのつながりを大切にしようというのを描きたいのはわかるが、話の流れ的に翠の死は唐突過ぎてついていきづらいし、蘭の力によって(?)蘇生はいかにもご都合主義的に感じられてすっきりしないし。それにエマヒクサが翠を襲った理由のエピソードも全体の中から見ると浮いているように感じられてまとまりが悪かった気が。どうもこのシリーズは素材はいいのだけど望む方向から微妙にずれている感じだなあ。