NO CALL NO LIFE

NO CALL NO LIFE

NO CALL NO LIFE

『鳥籠荘』を読んだ時にも少し思ったことだけど、作風がちょっと変わった気がする。もちろん今回はハードカバーの作品だから意識的に変えている部分もあるのだろうけど、それを差し引いても微妙に違うというか。
 で、この『NO CALL NO LIFE』は危なっかしくてどんどん追いつめられて破滅にまっしぐらな青春ものといった感じですな。有海と春川が接近するのがえらく急に思えていかにも話の都合臭く感じられたり、またトラウマものかよ……と少々うんざりしたりして途中まではいまいちな印象だったけど、終盤はまあまあ良かった。正直死に別れオチは少々あざといかなという気がしないでもないが、よくあるパターンとわかっていてもなんだかんだで余韻は残ったし。それと途中までは浮いているように思えた「時間を超えて繋がる不思議な電話」という設定を、物語の中で重要な要素となるよう上手くいかしていてお見事でした。