銀盤カレイドスコープvol.7 リリカル・プログラム:Be in love with your miracle

こうして『銀盤』を読むのはひさびさなわけだけど、読み始めてまず最初に感じたのはあいかわらず文章のテンポというかリズムが独特でちょっと読みづらいということ。しかし途中からは気にならなくなっていつの間にかどんどん先へと読み進めるようになるのもあいかわらずだった。今月の最終2巻同時発売にそなえて今のうちに読んでしまおうと思ったのだけど、読み終えてみると新刊発売まで待って3冊一気に読む方が良かったかと少し後悔。すげー続きが気になるとこで終わっているからなあ……
今回は今までも聖女として名前が挙がっていたもののあまり深く内面までは描かれなかったガブリーにスポットが。一部では聖女という肩書きとは裏腹に実は腹黒キャラなのでは? という推測もあったのだけど、見事なまでに「聖女」キャラですな(というか、ここまで清らかなキャラもめずらしいってほど)。そしてその設定が単なるキャラ立てに終わってしまわないで、ストーリー上で見事に重要な機能を果たしているのが素晴らしい。今回はやたらとサービスシーン(笑)というか百合的要素が強くて、それはそれで楽しめたのだけど、安易な読者ウケに走ってしまうのではないかという心配もあったのだが、終盤の展開は燃えた。(以下ネタバレ含む)ついにリア打倒を宣言したタズサ。リア打倒を宣言するのがどれほど無謀なことなのか、どれほどプレッシャーになるのかをしっかり描いているからこそ、あえてそれを行ったタズサの決意が光りますなあ。6巻までで読者にすら「こんな完璧超人倒せねーよ」と思わせたリアにどう対抗するのか。(ネタバレ終了)最終巻が楽しみ。