『ファントム アイン』8章「絶望の果てに」より

「憧れたのよ。わたしは。あの日のあなたの強さに……。今もどこかであなたが生きて……、強く自由に生きているって、そう思うだけでわたしは今日まで生きてこられた」
「あなたは、わたしの夢だった。わたしにも選べたかもしれない、もう一人のわたしの人生だった。いつかわたしも、そうなれるってあなたは約束してくれたんだもの。この世界が無限の地獄じゃないとしたら、それはあなたが生きてるからよ。……だから、お願い。引き金を引いて。あなたのいない世界に、わたしは生き残りたくない」

ファントム―アイン (角川スニーカー文庫)

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