恋文の技術

恋文の技術

恋文の技術


京都の大学から、遠方の実験所に送られた男子大学院生が、友人知人に手紙を書きまくる。でも本当に気持ちを伝えたい人には、思うような手紙が書けなくて――。
 第一話〜第十二話まであり、ひたすら友人知人たちに送った手紙がえんえんと並んで構成されている作品。最初はどうも手紙でのやりとりのせいか今までの作品にくらべて主人公が落ち着いてしまった印象で微妙かと思ったけど(文章上でなら多少誇張して大きなことを言ったり、奇妙な言動をしてもそれほどおかしくないし)、後半にいくにしたがって今までの作品の主人公と負けず劣らず迷走した青春をおくっていることがわかってきて楽しめた。
 感想