本編3巻以降は読んでいないのだけど、今回は番外編で本編を読んでいなくても楽しめるらしいとのことだったのでひさびさに手を出してみた。あいかわらずどういうわけかこの作者の文章は微妙に読みにくい。それほどきついクセがあるわけでもないのだけど……自分が読むリズムと合わないのかな？ ストーリーの方はというと、まあまあ面白かったけどまあまあ以上ではなかった。幸太の抱える不幸体質という不条理設定や、幸太とさくらのバ
カップルぶりがどうも好みに合わなかった。どちらかというと脇で語られた会長と北村のふたりの方が気に入った。書き下ろしとして本編の主人公である大河と竜児の話も収録されているのだけど、あいかわらずの大河の暴虐っぷりや、この話に出てくる医者の対応の酷さが度が過ぎているように思えて不愉快だった。しょせんお話だからねといってしまえばそれまでだが、たとえ作り話にしても笑って楽しめる範囲と不快に感じてしまう範囲の境界線があって、この作品はしばしば筆者の楽しめる範囲から逸脱してしまうのが残念。
