“文学少女”と穢名の天使

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

 あいかわらずこの作品は登場人物の嘆きと慟哭と、遠子先輩がもたらす希望のまぶしさが凄まじいな……。作中でやたらと遠子先輩が自分がいなくなった後の心葉を心配する様子を見せるのが気になるところ。単に卒業していなくなる以上の何かがありそうで……やはりこのシリーズのラスボスは○○じゃなくて遠子先輩なんだろうか。
(以下ネタバレ)
 今回はついに琴吹さん編。美羽編の前に琴吹さんを掘り下げ、一歩前進させるのと同時に、心葉も似たような境遇の人物が関わる事件を経ることによって、今まで嫌ってきた作家としての自分を少しでも受け入られるようになる流れが非常にお見事。