竜と箒とひかりの彼方

 文章のテンポになじめなかったり、登場人物たちが小学生かといいたくなるような幼い一面を見せるのに呆れたりで正直最初はいまいちかな〜と思っていたのだけど、途中から持ち直して最終的にはなかなか満足できていた。登場人物が多いわりにはそれぞれの考え方や立場の違いによって上手くキャラを描き分けられているし、努力・結束・勝利という意外にもスポ根のような流れも、主人公のエリーナがあくまで自分の信じるもののためにがんばるのも良かった。ただ、もともと落ちこぼれ気味だったのに一巻の間に急激に成長しているのは少々駆け足な印象も。それにせっかくの魅力的な他の同期たちの出番が途中からかなり減ってしまっていたのは惜しかった。このへんは次以降に期待かな。マイナーな作者だし、イラストも特に不特定多数の人をひきつけるようなものではないのであまり目立たないかもしれないけど、とりあえず一度は手にとって読んでみてほしいと思える作品。