神様のメモ帳

神様のメモ帳 (電撃文庫)

　ニート探偵という言葉から想像するようなバカバカしさはなく、かといって本格的なミステリというわけでもなかった。作中に登場するニートたちも一般的にイメージするようなニートとは違っていて、けっこう明るく前向きに日々を送っている感じ。でも主人公はどこか落ち込んだ感じの青春もので、最後にはちょっと切ない感じが味わえる作品。途中までは読んでいてあまりに鬱々とした雰囲気に少々つらくなったけど、最後まで読み終えてみればまあこれはこれで味があって良かったかと思えた。いちおう人気が出れば続きも出せるようになっているけど、これは単発で終わっといた方がまとまりがいいかと。それに似たような方向性で話を続けるのも難しそうだし。