Fate/Zero Vol.1「第四次聖杯戦争秘話」

Fate/Zero Vol.1 -第四次聖杯戦争秘話- (書籍)

Fate/Zero Vol.1 -第四次聖杯戦争秘話- (書籍)

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 この作品を読めて幸せ過ぎてたまりません。本当に良かった。
 話は紛れもなく『Fate』でありながら『DDD1』を読んだ後だからか、奈須氏のテキストと明らかに違っているのがわかるのがなんだか面白い。もちろん文章の違いなんて全然関係なしに内容は面白かったし、セイバーやギルといった本編に登場しているキャラの言動もまったく違和感を感じないあたり、さすがは虚淵氏。華々しい英霊たちもそのマスターたちもいずれもすごく魅力的。人気投票でもしたらどの人物に入れればいいか決められませんな。特に今回はウェイバーや龍之介には作者の並々ならぬ愛を感じた(笑) 反面、切嗣や言峰は今回思っていたほど目立たなかった印象だが、これはこのふたりの出番はまだまだこれからということか。しかしあとがきや解説からすると最終巻はどうもかなりきつそうだなあ……。今でもアイリスの事情を考えるとかなり気分が重くなるし(セイバーとアイリスの間にこんな交流があったというのは意外だった。しかしそうなると、本編の方でもセイバーはアイリスの娘であるイリヤに対してもう少し違った態度になりそうな気がするのだが?)、間桐さんのところは世代は違ってもあいかわらず重苦しそうだし(しかしある意味、この作品の中で一番虚淵氏の作風に合っている登場人物である気がする)。1巻だけでもかなりボリュームがあったのに2巻は3月発刊予定だそうで、そんなに早く出せるのか? と心配だったけど、ずいぶん前から進められてきた企画なのね。あまり待たされることなく続きが読めそうでひと安心。『Fate』を知る人にも知らない人にも是非読んでほしい一冊。