“文学少女”と繋がれた愚者

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

 これでもう3冊目なのにあいかわらずこの作品はすげえと唸らされてしまう内容に大満足。特に今回は事件の真相の読み解きと文学作品との重ね合わせと登場人物たちの苦悩が今までで一番上手くつながっていたと思うし、遠子先輩の明るさと優しさと前向きさが泣きたくなるほど良かった。1巻に出てきた竹田さんがまた出てきたのも良かったなあ(すっかり平和で幸せそうな様子だったら1巻の内容が薄っぺらに感じられてガッカリだっただろうけど、要所要所で裏の一面はやはりそう簡単には変わっていないのがうかがえたのが好印象。ヤバい場面でも冷静だったりとかね)。お見事。素晴らしい。これだけでも十分良かったのにさらにエピローグでまた凄まじい衝撃が……!! 遠子先輩の卒業も視野に入ってきてこのシリーズも終わりが見えてきてしまったのは寂しいなあ。できる限り長く続いてほしかったのだが。まあ、ちょうど中間地点ということだから、あと2冊は出そうなのでとりあえずそちらを楽しみに待つとしよう。