クドリャフカの順番 「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件

 うむ、面白かった。学園祭の描写が楽しげですごく良かったし、ただ楽しいだけで終わらず話のまとめ方が非常にお見事。『ボトルネック』みたいに絶望まっしぐらというわけはないが、この<古典部>シリーズにもほろ苦いというぐらいの要素はあるのだけど、今回はやたらと学園祭の描写が楽しげでどうしたのかと思っていたら、なるほど、こうきたかという感じで今回もしっかりほろ苦い要素もあり。で、それが今回の話を綺麗に収束させている。今回は古典部の四人がそれぞれバラバラに行動していて経験したこともそれぞれバラバラなのだけど、見事にひとつのテーマでまとまっているのがさすがというかすごいよなあ。素晴らしい。